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New! Informationにイベント情報、大阪・札幌での上映情報をアップしました。(2008/02/21)
Commentページを追加しました。(2008/01/28)
Informationにアンコール公開の情報をUPしました。(2007/12/23)
Trailerページを追加しました。予告編がご覧いただけます。(2007/11/04)
Informationに劇場公開の詳細を掲載。(2007/10/08)
Informationに名古屋・札幌での上映情報掲載。(2007/6/13)
Galleryに「写真展」ページを追加。(2007/4/16)
Text  - 記憶  Memory
»  ホッテントットの夏 その1 三梨朋子
»  ホッテントットの夏 その2 三梨朋子
»  ホッテントットの夏 その3 三梨朋子
»  現実と夢の境界で 藤田功一
»  菓子箱の家で見た夢は 宮沢豪
»  七里圭への愛憎 平林勉
»  受付すると、なかなか観れないのです 山本ゆい
»  夏の(主に楽しい)思い出 多田哲平
»  思い出は、間投詞とともに 侘美秀俊
思い出は、間投詞とともに
侘美秀俊
 「大変だったことは、すぐに忘れる」という特技をもった私には、すでにこの作品での苦労は、別のものに昇華されてしまっている。確か、最初のヴァージョンでは、納期間近でのリテイク。
「そーいえば、結構、大変だったなぁ。」
うん、徐々に思い出してきた・・・。

 今回はスコアからの解放と叙情的ストリングスからの脱却という、これまでの否定からスタートしている。といっても、それはあえて選んだ訳でもなく、諸条件から導きだされた唯一の選択でもあった。スコアは書かなかったが、台本は書いた。シーンの流れに沿った、楽器の組み合わせと、音のイメージを言葉で記した。映像の方でも、詳細な台本はほとんどなく、即興劇に近い形で役者のみなさんと共同作業で作り上げたと聞いた。音楽も全く同様の形をとっている。脚本家ではなく監督というのなら、今回は作曲家ではなく音楽監督になる。ミュージシャンとの共同作業は、実に楽しかった。といっても、二日間のレコーディング作業は、体力的には相当キツいものだった。
「あっ、これも大変だったなぁ」

 そして編集作業。膨大な録音素材から、あーでもないこーでもないの連続。しかし音符の組み合わせではない、サウンドの組み合わせは、予想以上に楽しい作業だった。予想できない偶然の結果が存在した。
「あっ、これいいじゃんねぇ」

 そして作品が仕上がった後で、ライブパフォーマンスという枠に当てはめるための変換作業があった。映像との同期という、あまりにも技術的に高度なシステムや手順を、ひとつひとつ検討することになった。これには制作の藤田さんの協力はほんとうに欠かせなかった。年代物のオルガンの調達という難題もクリアしてくれたのは藤田さんだったな。本当に感謝してます。

 いざ、リハーサル。同期HDDレコーダーの電源トラブル、予期せぬスピーカーからのノイズトラブル、演奏用のPCのサウンドカード認識トラブルなどなど、それはもうトラブルの博覧会。挙げ句の果てには、アンティークのオルガンの鍵盤内部のバネが戻らなくなり、音が消えない現象が本番初日に発生。ここで、七里監督は、自ら楽器のリペアマンとしてトラブルを解消。そのメンテナンスツールはなんと、割り箸一本だった。あの人は本当に器用だ。本番二日目には、後半、足元に転がしてあったモニタの映像が消えるというトラブル。しかし、もはやそんな非常事態は問題にもならないくらい集中してプレイしていた。いやはや、なんとか切り抜ける。
「ああ、無事に終演をむかえられてよかったなぁ」

 もう10年近い付き合いにある七里さんだが、創作に妥協を許すことがない姿勢は、本当に凄いのだ。結果的にバランスを考えて別の選択をとることもあるが、ひとつのことに突っ走って行くエネルギーは、周りの人間は誰もとめられない。スタッフのほとんどが泣かされているというのに、その誰もが適度な距離感を取りつつも、作品や公演に対して、惜しみない努力をしているのが、本当にいつも不思議で不思議で仕方がない。結果として、すばらしい作品が完成し、公演も見事な評判を得て終了する。ありえないくらいのスタッフに恵まれている。私はこれからも「七里圭」という人物に、嫉妬を抱き続けるだろう。